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本マニュアルは、DRSのレプリケーション機能をユーザー環境にインストールするためのものです。

11/15/1999


<レプリケーションの目的>

レプリケーション機能は、NB832などのDRSプログラムが、DBに対して書き込み、修正、削除(以下、まとめて「変更」と呼ぶ)を行うときに、トランザクション単位でレプリカDBに反映する仕組みである。

レプリカは、DBとほぼ同時に変更が反映されるので、サーバーが故障してDBの読み書きが出来なくなったときに、瞬時にレプリカDBに切り替えて業務を継続することができる。

また、レプリカDBに対する変更は、本来のDBにレプリケートすることができるので、本来のDBが修復された後には、レプリカ使用中の変更が本来のDBに反映される。

以下、通常のDBを「DB」、レプリカDBを「RPL」、DBに対して書き込みを行うプロセス(電子カルテプログラムなどの実行中のプログラム)を「WPR」と呼ぶ。

<レプリケーションの動き方>

WPRがDBを変更する場合、DBMANを経由して行いますが、DBMANが変更のトランザクションを切り出し、レプリケータにトランザクション情報を渡します。(DBMANはDBに対しては通常どおり変更を行います)

「ログセンダー」は独立したプロセスで動くプログラムで、DBMANと同じPC中で常時稼動しており、DBMANからトランザクション情報を受け取るとそれをXML形式のテキストファイルに変形して、RPLのメイルボックスに対してMAPI経由でメイルを送る。

RPLが存在するPC上では「レプリケータ」プログラムが独立したプロセスで常時稼動している。RPLが所有するメイルボックスにメイルが届くと、「レプリケータ」はそれを読み、RPLに変更を反映する。

<DB、RPLの存在場所の指定>

WPRは、Filetbl中の記述により、DBの存在するPCを知る。

WPRと同じPC上で動くログセンダープログラムは、Filetbl中の#replicarecipient の記述により、RPLのメイルアドレスを知る。

DBのメイルアドレスは、「DRSDB」、RPLのアドレスは「DRSRPL」に固定されている。したがって、ユーザーは、インストール時にこれらのメイルボックスを(コントロールパネルのメイルで)作成しなければならない。

<プロファイルの必要性>

ログセンダー、およびレプリケータプログラムは、メイルボックスに対して読み書きを行う。したがって、プロファイルを持たなければならない。

ユーザーは、ログセンダーとレプリケータが動く、あるいは動く可能性のあるすべてのPC上で、プロファイルを設定する必要がある。ログセンダー用のプロファイルは、常に「Logsender」、レプリケータ用のプロファイルは「Replicator」としなければならない。プロファイル名を固定することにより、プログラムが自分で使うべき正しいプロファイルを見つけることが出来るようにしている。

レプリケータは通常はRPLが存在するPC上で動くが、DBが破壊したときには、復旧までの間、DB自体がレプリカになる必要があるので、DB上でもレプリケータを動かしておく必要がある。したがって、「Replicator」プロファイルは、RPL、DB両方のPCで設定しなければならない。ただし、それぞれのメイルボックス名称は、「DRSRPL」「DRSDB」となる。

WPRが動くPCでは必ずログセンダープログラムを動かすことになるので、「Logsender」プロファイルを設定する必要がある。ただし、メイルボックス名はネットワーク内でユニークであれば任意でよい。なぜなら、ログセンダーがレプリケータに対してメイルを送るときに自分のアドレス(メイルボックス名)を添付するので、レプリケータがログセンダーにメイルを送るときにはそのアドレスを使うことができるからである。

<非常時の切り替え>

RINSTを使ってレプリケーションシステムをインストールすると、「DB切り替えプルグラム」に自動的に「非常用DB」の切り替えメニューが追加されます。

メインのDBがダウンしたときには、DB切り替えプログラムにより非常用のDBに切り替えてください。

非常用のDBを使用中には、トランザクションログがメインのDBに対して送られますので、メインのDBが復旧した後には、非常用DBに対して行った変更がメインのDBに自動的に反映されます。

 

<インストール作業手順>

1)メイルシステムのインストール

Microsoft Exchangeサーバー、Microsoft Mail サーバーなどMAPIが使えるメイルシステムならどれでもかまいません。ここでは

A)Windows NT 4.0 Workstation に添付されているMicrosoft Mailサーバー

B)Microsoft Exchange Server

の2つの設定を説明します。

1-1)Windows NT 4.0 Workstation に添付されているMicrosoft Mailサーバーのインストール方法

・メールサーバとして使用するPC(Windows NT 4.0 Workstation)の[コントロールパネル]を開きます。

・[Microsoft Mail ポストオフィス]が存在していない場合は、Microsoft Mail サーバーをインストールします。

すでに「ポストオフィス」のアイコンが存在している場合は1-2に進んで下さい。

・コントロールパネルから[アプリケーションの追加と削除]を開きます。

・[Windowsファイル]タブを選び、[Microsoft Exchange]を選んで、[詳細...]を開きます。

・[Microsoft Mail サービス]をチェックして、終了します。

コントロールパネルに[Microsoft Mail ポストオフィス]が追加されます。

1-2)ポストオフィスの設定

・[Microsoft Mail ポストオフィス]を開いて[新しいワークグループポストオフィスを作成する]を選びます。

・指示に従って進み、[アカウントの詳細を入力]のウインドウが表示されたら、名前:DrsReplicater、メールボックス:DRSRPL、パスワード:password、というように入力します。

・再度[Microsoft Mail ポストオフィス]を開いて、[既存のワークグループポストオフィスを管理する]を選んで、ログセンダーを使用する数だけ、ユ-ザーを作成します。

1-3)プロファイルの作成

・ログセンダーを使用するコンピュータで、[コントロールパネル]-[メール]を選んで、プロファイルを作成します。このとき、異なるコンピュータで、同じユーザを使用しないでください。(プロファイル名は全て、Logsenderで統一してください。)

レプリケータを動かすPC(RPL,およびDB)上では同様にして「Replicator」という名前でプロファイルを作成してください。

・もし、このとき、使用するインフォメーションサービスにMicrosoft Mailが存在しなかった場合は、メールサーバのときと同じように、MicrosoftMailサービスを追加してください。

・再び[メール]を開いて、登録したプロファイルのMicrosoftMailのプロパティを開き、[配信]の[新着メールの確認間隔]を1分にします。

・自分自身に、テストメールを送ってみます。テスト後、テストで送信したメールは消去してください。

・次に、Outlook98をインストールしてください。

・インストールが終わったら、同様に、テストメールを送ってみてください。

1-4)Microsoft Exchange Serverを使う場合、Exchangeアカウントの作成

・[Microsoft Exchange 管理ツール]を起動します。

・作成対象のグループ下で[メールボックスの作成]を実行します。

・表示された[プロパティ]ダイアログの[全般]タグで、[表示名]と[エイリアス]に作成したいアカウント名を入力します。(例:replicator)

・同じく[全般]タグの[プライマリ Windows NT のアカウント]をクリックします。

・表示されたダイアログで[既存のWindows NT アカウントを選択する]ラジオボタンを選択し、[OK]をクリックします。

・[ユーザーまたはグループの追加]ダイアログが表示されますので、[名前]リストボックスで[Everyone]を選択し、[追加]をクリックし、[追加する名前]エディットボックスに"Everyone"が表示されているのを確認して、[OK]をクリックしてください。

・[プロパティ]ダイアログの[OK]をクリックしてください。

以上で、Exchangeサーバーにメールアカウントが作成されました。

1-5)プロファイルの作成

1-4で作成したアカウントを使用する各端末(DRSのインストールされたPC)上で、プロファイルを作成します。

・[コントロールパネル]を開きます。

・[メール]を開きます。

・[○○のプロパティ]というダイアログが表示されていたら[プロファイルの表示]をクリックしてください。[メール]ダイアログが表示されます。既に[メール]ダイアログが表示されていたらそのままで結構です。

・[メール]ダイアログの[追加]をクリックします。[Microsoft Outlook セットアップウィザード]が表示されるはずです。

・[次のインフォメーション サービスを使用する]ラジオボタンを選択し、さらにリストから[Microsoft Exchange Server]を選択し、[次へ]をクリックします。

・[プロファイル名]にプロファイル名(ReplicatorまたはLogsender)を入力して、[次へ]をクリックしてください。RPLのPCでは「Replicator」、WPRのPCでは「Logsender」にしてください。

・[Microsoft Exchange サーバー]と[メールボックス]に使用するExchangeサーバー名とメールアカウントの名前を入力し、[次へ]をクリックします。

・[外出先でこのコンピュータを使用しますか?]には、通常は[いいえ]を選択して、[次へ]をクリックしてください。

・[個人用アドレス帳]のパスは、通常は既定値のままで、[次へ]をクリックしてください。

・[セットアップが完了しました]と表示されますので、[終了]をクリックしてください。

以上で、プロファイルが作成されました。

2)プログラムの追加、および、DBFのスキーマの変更

RINSTを使って「REP」インストールを行ってください。

以上

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